アオギハゼ

どこにでも居るからと言って
侮ってはいけない。
この子は実に美しく、艶やかな色をしている。
気が強そうでな面構えもいい。

ぱっと見て、
『あ〜アオギハゼか〜』
と思ってしまうと見えない物がある。

名前

便利だ。

他人との意思の疎通をする時
名前があると、初めて会った人とでも、
その対象について一切説明をしなくても、
共通の認識が成立する。
そのために名前がある。

しかし
自分が何かを見た時に
知っている子で
名前を思い浮かべた瞬間
我々の頭の中のその名前の物の情報が検索され
脳裏によみがえり
既知の情報で対象を認知してしまう。

その対象の
その時見ている姿や形や色や行動の生の情報ではなく
『アオギハゼ』
という名前に付属する頭の中の情報で認識してしまう。

名前

便利だ。
が・・・

名前は
往々にしてその場の情報を遮断する。

時間が余った時
どこにでも居る
すでに知っている
当たり前の
子たちを
見て下さい。

頭の中の情報ではなく
名前など忘れて
その場のその子のその個体の持つ情報を見て下さい。

出来ますか?
まっさらな目で見ること

そうすると
新しいものが見えます。
頭の中の情報になかった物が・・・
細かいひれの色
意外にきつい顔
凛とした第一背鰭の第2棘

新たな行動
新たな模様
新たな色
見たことない事
見えてない事

名前というレッテルが定義してしまう物しか
見ないのであれば
今の情報を見ないのであれば
あなたはいずれすべてに飽きる・・・

アオギハゼ
どこにでも居る
とてもきれいな子です。
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